関連加工

製品・部品をカタチにしてお渡しできるように、材料手配から、加工、処理の工程も一括してお引き受けしております。

抜く、切る、押す、貼る

 印刷前後の抜き加工、カッティング、エンボス加工、意匠フィルムなどのラミネート加工、両面テープの貼合、シート材同士の貼り合わせ加工を行っています。
 そして、これら自社の持つ印刷、関連技術を用いる事で、どのような事が可能になるのか ––––「印刷というプロセスだけでは出来ない、ビジュアル表現を実現するには?」––– この問いをテーマに、応用的・複合的な印刷+加工技術のご提案を心掛けています。
PCフィルム+透明ダブルフェース(打ち抜き加工+貼り合わせ)サンプル写真

PCフィルム+透明ダブルフェース(打ち抜き加工+貼り合わせ)

打ち抜き加工、カット加工

 印刷された銘板類のビク抜き加工を始め、両面テープや樹脂フィルム、ゴム、発泡材等の軟質材の打ち抜き加工を行っております。少量生産品や、試作案件に対しては、カッティングプロッターを用い、初期費用を抑えたご提案、製作対応も行っております。

型抜き加工

 型抜き加工はビク型、トムソン型、木型などとも呼ばれている型を用い、プレスの要領で切り抜き加工を行う加工方法です。抜く形状に薄い金属の刃を曲げ、台座にはめ込んだ型を用います。刃の深さを変える事ができますので、両面テープやステッカーなどへ、一部の箇所をハーフカット、外州は全カットなどを一度のプレスで抜き加工する事ができます。現在では刃を曲げる技術の発達で、かなり複雑な形状の抜き型も作成できるようになりましたが、更に複雑な形状、また高精度な抜き上がり寸法が必要な場合には腐食型(ピナクル型、クロムダイ等呼ばれます)を用います。

 これら刃型での加工が可能な素材は、薄いシート状のもので、ある程度柔軟性を持つ素材であれば殆どの素材へ対応可能です。目安として、硬質塩ビ、ポリカーボネートならば、厚み1mmまで対応可能です。また、金属基材ではアルミ材(厚み0.3mm目安)など比較的柔らかい材料であれば、銘板用途などで加工実績がございます。

カッティングプロッター

 カッティングプロッターはコンピュータで作成した形状データを、そのままカットする事ができます。厚い材料や硬い材料には不向きですが、一般的な両面テープなどはハーフカットや切り抜きができます。操作パネル、スイッチシートなどの裏面に貼合される両面テープ形状は複雑な形状である事が多いですが、これらを試作、少量生産品を行う場合、プロッターでカットをする事で初期費用を抑えた生産が可能です。

 ステッカーや切り文字、飾り模様などはもちろん、カット形状の微調整が頻繁に必要な、塗装のマスキングテープのカット、組み立てや加工時の仮止め用テープのカット等でも用いられています。

カッティングプロッターでカットしたフィルムを用いた、塗装マスク例

カッティングプロッターでカットしたフィルムを用いた、塗装マスク例

エンボス加工

 操作銘板などのボタン部など、樹脂フィルムへのエンボス加工を行っています。量産では金型を用いますが、試作や少量品などでは、簡易型を用い、型代を抑えた対応を行っています。

PETフィルムへのエンボス加工例

PETフィルムへのエンボス加工例

貼り合わせ(ラミネート・UV貼り合わせ)

立体的な意匠のパネル(アクリル4枚貼り合わせ)

立体的な意匠のパネル(アクリル4枚貼り合わせ)

 操作パネルにに両面テープを貼る、ステッカーへ紫外線防止フィルムを貼る、といった事から、印刷品の一部分(表示窓部分など)にカラーフィルターを貼り合わせる、透明なアクリル板の全面貼り合わせ、なども行っています。カラーフィルターを銘板の所定の位置に貼る、接着剤を均一に塗布する、などのプロセスには、特殊印刷の技術が応用されています。

 印刷だけでは不可能な機能付与、意匠表現も貼り合わせ技術によって実現しています。

ウィンドウパネルへカラー蒸着フィルムを貼り合わせ(上:貼合面、下;側面)

ウィンドウパネルへカラー蒸着フィルムを貼り合わせ(上:貼合面、下;側面)

組み立て、外部連携

コストや効率の点ではもちろんですが、高い意匠性や機能性の品質担保の観点から、加工プロセスと印刷プロセスの相互連携的な生産運用の必要性が高まっています。この点から弊社でも内生できる工程を増やす努力を行って参りましたが、専門性の高い工程などはこれまでまた例えば一つの部品に印刷から貼り合せ、抜きや切削加工などの工程要素が含まれ、それらの要素一つ一つが最終的な外観品質に関わっている場合など複数の会社間でハンドリングを行うよりも 工業製品の印刷は、部品形状・構造との関係性が強く、加工プロセスと印刷プロセスを相互関係の上に考え、管理しなければ、一つの部品としての完成度を持ち得ません。そしてより効率的な生産方法の模索も、工程間での相互連携が必要になります。  私たちは、時には外部企業のご協力を仰ぎながら、これら異なる工程間でのマネジメントからアセンブリまでを総合的にお受けし、ユニット部品として納入を行っています。
組み立てトプ画像

成型品の組み立て

組み立て(アセンブリー)

 一つのユニット部品を構成する加工、工程要素は様々ですが、異なる工程間の些細な要素が、仕様実現の障壁や、思わぬ不具合の要因となる事も珍しくはありません。塗膜を介する接合面の接着不良や、操作部の剥離現象など、印刷にまつわる不具合の事象もあるようです。
 私たちは特殊印刷の専門家として、パターニングやインクの選定など、印刷仕様についての設計を行うと共に、付随する組み立て要素も一貫してお受けする事で、材料、加工、印刷、組み立ての、最適な要素の組み合わせをご提案致します。
 一つ例として弊社で行っております、操作パネルの組み立て工程をご紹介致します。
 尚、この案件では、印刷シートと両面テープとの貼合適性が得られるパターニング設計、操作による塗膜の摩耗を軽減する印刷設計、ボタン押し具合を左右するエンボス形状、表示部のデザイン実現の為の両面テープ選定、貼り合わせ方法などをご提案致しました。
操作パネルの組み立て工程例

操作パネルの組み立て工程例

協力会社との外部連携

 上記の例では、支持プレートとパーツの切削加工などは外部の協力会社によって製作されています。このように樹脂・金属加工、表面処理、設計、デザインなど、外部企業との連携によって、社内工程だけでは出来ないユニット部品の製作を行っています。
 複合的な工程要素の絡む部品について、また従来プロセスで問題の生じているご案件など、ご相談頂ければ、適切なプロセスの選択から手法設計・開発まで対応致します。
協力会社製作風景(プレス加工)

協力会社での加工風景(プレス加工-- ご協力:株式会社ジーエム製作所様)

版下、製版、治具

 版下、製版という工程は印刷品質に関わる重要な要素です。結果としての印刷品からは直接見えない所かも知れませんが、精細な仕上り、機能性の発揮、作業効率向上にこれらの工程が密接に関わっています。
 同様に印刷品質・効率を左右する重要な部分として印刷治具があります。
これらのご説明、弊社での取り組みを簡単に紹介致します。
版下・製版・治具トップ画像

生産、品質を支える技術:版下、製版、治具

版下製作

 版下とは実質的に印刷工程の最初の工程で作成するものです。印刷する文字や図形はもちろん、直接印刷物としては目にしないような位置合わせ用の罫線(「トンボ」と呼ばれます)、作業者に伝える情報(印刷順序や、位置確認、色の指示)、また製作/印刷記録用の情報なども版下に含まれます。
 現在ではPC(パソコン)上での作業が主流ですが、まだ PC が普及していない頃には、職人さんが原稿となる台紙に文字などは写真植字(写植)から打ち出したシートを貼付け、線や図形・レタリング文字などは紙に直接描画していました。

デザイン・設計の意図を忠実に再現する

  新規に起工した版で初めて実際の品物に印刷した際に、実際には板金パネルの曲げRに差し掛かっていたり、障害物などで印刷が出来ないという事態があります。また、デザイン上必要であっても、実際に印刷するには文字が小さすぎたり、線が細すぎたりという事もあります。

 弊社ではこのような事態を避けるために製品形状と印刷の適正確認、細かいパターンについての調整を版下段階で行っています。もちろん製品外観のイメージを出来るだけ損なわず、必要に応じてお客様とご相談しながら行うことを心がけています。

版下処理例:細小パターンを修正

版下処理例:細小パターンを修正

製版

 印刷品質を左右する直接の用品である印刷版。メッシュの素材、線数の選定、テンション、乳剤の膜厚など、通常の印刷でもこれらの選択のバランスが取れていないと高品位な印刷はできません。弊社では社内で製版を行う事で、これらの要素をコントロールし、常にベストな状態での印刷をおこなえるようノウハウの構築を進めています。

特枠版例(パネル突き出し部逃し)

特枠版例(パネル突き出し部逃し)

 製品の形状によって、通常の版では印刷できないような面に印刷する場合、このような特殊な枠形状の版を使用します。この枠形状の考案・設計も行っております。

治具製作

 治具はワークを一定の位置に固定し、1回1回の位置のバラツキが無く印刷できる事が最低条件です。とは言え過剰な固定機構は出し入れの使い勝手が悪く却ってワークを傷付けてしまったり、またワーク自体の微妙な寸法バラツキを許容できなかったりと作業効率の低いものになりがちです。

 固定位置精度を損なわず、安全に使い易く作業ができるかを考えながら治具を設計しています。

製作事例(樹脂成型品の多面取り治具)

 多色刷りの成型品を4面で印刷をするための治具です。各位置決めの当ては成形品の個体差寸法に対応できるよう半固定とし、印刷仮定でワークのズレが出ないようエアー吸着するようにしました。また容易に取り出しができるよう、可動式のプッシュステージを取り付けました。

プッシュステージ付き治具

樹脂成形品印刷多面治具:プッシュステージ付